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映画『チョコレートドーナツ』

映画『チョコレートドーナツ』
 
ゲイカップルの二人は隣に住む、マルコを気にかけていた。
マルコはダウン症の15歳の少年。
マルコの母親はドラッグ中毒者で、ドラックをきめて男を連れ込んでいる間はマルコを一人夜の街に追い出すようなことをしていた。
そんな母親がドラッグで警察に捕まり、ゲイカップルの二人はマルコを家族として迎え入れる。
 
映画としては、面白そうな始まりなんですけど、マルコを含めた三人での家族生活のシーンが、8ミリフィルムで撮ったような荒い画像で散歩したり、ご飯食べたり、歌を歌ったりするだけで、もう少し家族としてのシーンがあった方が感情移入できたと思う。
あと、これは差別になるかもしれないので気を付けないといけない話なんですが、ゲイカップルということで、始めのうちどうも映画に入っていけない僕がいました。
男同士で、キスしたりベッドシーンもあるんですが、正直言ってこういうのですんなり入っていけなかったです。
これが、レズカップルだったら違うんだろうなぁ、なんて思いながら見ていました。
 
しかし、途中から違います。監護権を巡って裁判になるんですが、その調査官とマルコが面接するシーンでぐぐぐっと入り込んでいきます。このマルコ役のアイザック・レイヴァの演技が本当に素晴らしいです。本人自身もダウン症みたいです。
 
で、映画もどんどん盛り上がっていきます。
映画の舞台は1979年、カルフォルニアなのですが、当時はゲイに対する偏見、差別がすごい時代でした。
法廷ではゲイであることへの偏見、差別からマルコにゲイカップルに育てられるというのは問題があるんじゃないかと指摘されます。それに対して、以下のようにゲイの人は言います。
『この審理の主題は、マルコの生活環境のはずだ!ゲイとか関係ないだろう!今もどこかの施設に入れられ、出られないマルコ。このままでは養護施設で過ごし、死ぬまでそこから出られないマルコ。なぜか?なぜなら誰も、マルコを欲しがらないからだ。この世に背が低く太った知的障害児を養子にするものはいないからです。私たちしか面倒見て教育をして大切に守り、大人に育てる人はいない! 何か間違ってますか?あの子にはそれは贅沢なことですか?』
 
そして、映画はすごいラストを迎えます。DVDあるんでぜひ見てください。
 
さきほど、僕の差別意識なのか、そういうものから映画に対して感情移入が正直言って難しかったと書きました。(後半からそんなことは全く思わず、映画に入り込めます。)
これはあくまでも映画としてのリアリティの問題であり、僕の心の中でゲイに対して違和感を持つこととは別の問題です。
もう少し言うと、人間が心の中で思ったことと、現実(映画)でのことは別問題であります。
これを例えば行動や言動に移すと、それは差別になります。つまりは心の中で思うことは誰にも止められないわけで、それを表に出すかどうかということが結局は差別という問題の本質です。そういう意味でも、ゲイやダウン症の子供を映画の中で扱うことも、とても意味があることだと理解できます。
 
おすすめなんで、見てください。