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「総裁選の前にあらためて考えたいこと」

 

あれだけすったもんだあったオリンピックが終わったあとは、パラリンピックが始まり、そしてそれも終わりました。今回のコラムくらいは暗く硬い話はなしで、パラリンピックについてゆっくり話したいと思ったのですが、それも許してもらえないかのように、菅総理が不出馬を決めて、世間は自民党総裁選の話でもちきりです。

ただ、それもおかしい話なので、パラリンピックについて一言だけ。
個人的にはブラインドサッカーと車いすバスケットボールは本当にすばらしかったです。選手たちの、プレイのスピード、激しさ、テクニックに興奮を覚えました。特に海外のトッププレイヤーの技術には(このような表現は不適切かもしれませんが)十分にスポーツ観戦として見応えのあるもので、これからは毎回パラリンピックの放送があることを期待します。子供と一緒に見ることもできて、とてもいい教育にもなったと思います。

さて、総裁選です。

今日現在(9/11)では、高市氏、岸田氏、河野氏の三人が出馬しています。リベラル側の一部には、石破さんを中心に安倍さんの桜を見る会や森友・加計問題を追求することに期待をしていた人もいるようですが、石破さんが推薦人20人も集められない状況に、それはどうやら夢と消えました。出馬している三人は安倍さんの後ろ盾、禅譲をいただこうと、桜・モリカケ問題は三人そろって再調査はしないと明言しています。それはつまり、安倍さんの桜・モリカケの問題を追及するのか、しないのかという争点から、細田派(安倍氏)、麻生派の150人の得票を誰がつかむのかを争うゲームになったと言えます。

ここで考えなくてはいけないことは、石破氏が党内で力が弱いことや、本来はリベラル派と言われている河野氏や岸田氏が、ひよったことを批判することではなく、自民党員はじめ多くの国民がリベラルな政策や不正をただすというようなことをできると、政治に期待していない状況そのものにあるはずです。反安倍やリベラルと自称している人たちは、そんな腐敗政治は許せない!自民党は権力の乱用、不正義だ!と言います。私もふくめ、多くの日本人は安倍氏の秘書が桜を見る会の問題で、安倍さんに相談せずたった一人で何百万円も使ったなんて話を信じている人はいないはずです。そんなことはみんなわかっています。わかっていても「だからといって、あんたら(リベラル側)には任せられない」って思われているのです。この現状そのものを変えなくてはいけないのです。

では、どうすればいいのか。それはこの30年ものあいだの新党乱立の時代で何もできなかったことを反省し、一から30年かけて作り上げるしかありません。党を作ればいいだけではなく、メディアを自分たちでつくり(ネット保守系メディアのような)、支持者が集まるようなコミュニティをつくり(JCのような)、後継者を育てるしかありません。それは「風」が吹けば候補者を東京から地元に呼んで、地元の後援会を急場しのぎで作り出馬をするようなことではないはずです。そんなことで勝てると思っていることを恥じるべきです。30年とは言いません。2008年の政権交代から地道に全国各地でそのような活動を続けていれば、今のような馬鹿げた政治状況にはないはずです。

あらためて最近の政治状況を見ると。桜を見る会、森友・加計問題、公文書偽造、自衛隊の日報隠し、解釈改憲、格差拡大、もはや先進国とは言えないような経済状態、そして今回のコロナ禍。これだけ集めても立憲民主党の支持率は6%前後で、リベラル側は全然だめです。それはまるでサッカーのPKでキーパーが毎回転んでいるのに、シュートを外し続けているようなものです。政権交代どころか、安倍さんの問題で国民の後押しももらえないことをリベラル側は反省するべきです。反省では足りません。全員坊主になったほうがいい。

自民党も安泰のように見えて、その本質はどんどん変わっています。あまり知られていないことですが、2008年の政権交代のとき自民党は惨敗しましたが、そのときの得票数を超えてるのはこれまで一度くらいしかありません。つまりはこの10年ちかく圧倒的に議席を確保していますが、得票数では右肩下がりです。(「自民党 得票数」で調べてみてください。)そのため、自民党自体も昔ながらの地元に根差した政策はなかなか取れずに、新自由主義と呼ばれているような政策に舵を切らざるをえないような状況です。その結果はどうでしょう。格差だけは拡大して韓国にも多くの経済指標で抜かれています。

私は鹿屋で小さな商売をしているのですが、地方の経済状況は悪くなるばかりです。けれど、そんなこともお構いなしに、数合わせゲームとしての政治がただ遠くで行われているだけのように見えます。いつになったら、政策や社会システムの方向性を争うような政治がやってくるのでしょうか。もう、自民党だけだと無理がある思うのですが、リベラル側がこんな体たらくならそれも夢と消えるのでしょう・・・。

次こそは、お気楽な話題で書きたいものです。

土屋耕二

 

 

南九州新聞に寄稿したコラムです。